まったりし隊

Hokulea in Yokohama

2007.06.15  

2007年6月15日。我が隊は懲りずに夜行バスに乗り込んだ。ひー!毎月夜行バスに乗るのは勘弁してください副隊長~、という心の声もむなしく、去年の星野道夫メモリアルプロジェクト東京行き、青春メガドリーム号にも負けない座席直立不動格安バスで再び東へひた走る。横浜までホクレア号にもう一度会いますよ。そうでございますね、副隊長。今回も二言返事で、明け方にそびえる富士山を拝んでいます。しかも、ヨシコの首のまわりは新たなアイテム、快適睡眠枕?なるものを事前に手配したらしく、グーグー寝ているのだが、隊長のも買ってきといてやーという言葉は、ムーディー勝山ごとく「右から左へ」聞き流したようで、ボクは首が折れるかのごとく姿勢で、これがまた器用に寝てしまうのである。

明けて16日に横浜駅につき、そこから電車で「みなとみらい駅」下車、ぷかりさん橋まで歩く。朝の7時半だというのにヨシコは元気はつらつ。潮の香りとともに海が見えてきた。散歩する人、木陰で休む人、ランニングする人と、ゆるやかな休日の空気の中、約一月ぶりのマストを発見すると、心の内側が震えた。ホクレアだ。じつはホクレアを見ながらのんびりしたいところだったが、その裏側ではすでに10時からの乗船体験のために行列が出来ていたのである。恐るべし、日本人。ホクレアにどうしても乗りたかったので、あわててその列にとけこんだ。チャド・バイシャンさんら、ホクレアのクルーと「アロハ~」と挨拶。どうやらホクレアの荷降ろしで忙しいようです。

朝とはいえ、次第に熱を帯びる炎天下の中、野田知佑さんの「カワムツの朝、テナガエビの夜」を読みながら時間を過ごしていると、あれよあれよと人だかり。気がつけば本日定員の180名を越え、乗船体験できる人が限られてしまったのです。

10時を過ぎ、ホクレアの船上で荒木汰久治さんから学ぶ。船を導くマヌ(ハワイの言葉で鳥)のこと。昼に夜に感謝して船を走らせること。北極星が隠れた時は、220ほどの星の動き、スターラインを利用すること。それは決してロマン溢れるものではなく、とんでもなく厳しいものだということ。ナビゲーターを父とし、ホクレアを母とし、子どもであるクルーは父と母から離れては航海ができないこと。それは陸上でも同じであること。そして汰久治さんは子どもたちに何を残せるかを考えている。それは星をみていれば分かるそうで、お金や船ではなく、祖先が残してくれたからこそ今のボクたちがいる連なりを感じるのです。

そしてホクレア号の船首には男女の像がある。男性像は星を、女性像は眼球を持ち、男性像は星を見つけ、信じたものを見失わない外への力を、女性像は見えないものが見える内なる力を意味するそうです。

夢を持つことが恐怖を乗り越える唯一の方法だ。シンポジウムで船長であるチャド・バイバイヤンさんが言う。地球上の島々、そして人が住む島々は海によって繋がられている。直感を鍛え、どこに向かうかハッキリとしたヴィジョンを持つことの大切さを伝えてくれるのです。

食事でもしようと横浜を歩いていると、観覧車の前で親子連れに出会う。小さな男の子は、お母さん、あの観覧車は何人乗りなの?と聞くので、お母さんはたぶん6人乗りぐらいかなぁ?と答えると、違う、違う!全部でだよーっと聞き返す。その観覧車を見ると、多くのゴンドラを擁し、ゆっくりとまわっている。ひと目では何人乗りなのか判別つかないが、この子は全体で物事を感じているのだろう。ゴンドラひとつをそれぞれの島とすると、それはホクレアが発する意識に通じるものがあるのではないだろうか。

夕暮れの港。内田正洋さんのお話をうかがうべく待っていると、不思議な少女に出会った。海が好きな末っ子、横浜の学校に通うのだけれど森がないのでつまらなく、今は信州で学校を探しているという。何が不思議かというと、目の前のスズメと話しているのです。小さなころから話せるという彼女は、スズメは難しく、カラスなら簡単なのにという。それでもエサを探しにいっていいよ、とスズメに言うと、そのスズメはババッと飛び去る。じゃあカラスを呼ぶねと言い、アー!アーッ!と空にむけて叫ぶと、カラスが本当に飛んでくるではないか。周りにいた誰もが驚き、少女は自然と踊りだす。

鳥と話す少女、星を話すナイノア。ボクたちは本当の自然を知らないことに気づく。いくら知識として知っていたといても、その声を聞けていないのだから。そしてその子は内田さんの講演前に忽然と姿を消して、講演終了後、再び現れ、ボクたちにバイバイと言った。

内田さんの話はおもしろく、千葉県って本州からは利根川と江戸川で分断されいて事実上、千葉県は島なんだよねー、などなど。またタイガー・エスペリさんの話として、大きな声で話すと海が驚くから、小さな声で話せ。また大きな声にはウソが多いらしい。そしてカヌー、カマ・ク・ラについて、それはそれは熱く話しは続くのです。

 

FIN

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